中長期計画2012-2022
はじめに
本計画は当協会設立30周年を機に、時代の要請に応えるべき、これからの10年間に重点的に取り組むべき活動の方向性を示すことを目的に、平成23年10月に会員を対象に10年後の地域生活の不安と理想を主題とした「ささえ愛アンケート」を行い、152通の回答を得た。この調査結果を柱に、運営戦略会議にて原案を作成し、常任委員会で検討を行った。
翌24年の1月には、みんなの研修会「語り合おう!みんなでつくる未来のボラ協」にて、ワークショップ形式で分科会に分かれて内容を深めた。
これらの取り組みを通じ、同3月の理事会にて再検討を行い5月の総会へ提案をした。
Ⅰ.中長期計画の考え方(方針)
- 障害のある人もない人も、ともにボランティア活動をとおして、障害福祉の風土づくりを進める。
- 障害の正しい理解と、障害者が積極的に社会活動に参加し、夢を語り合い、地域で自分らしく暮らすための環境づくりへの取り組み。
- 30年培ってきた行政や関係団体との連携を、より強化するとともに、「つなぐ」ことを意識したネットワークづくりのための役割を担っていく。
Ⅱ.中長期計画の柱
障害の理解の促進のための市民への啓発とボランティア活動の機会の提供
1.障害福祉に関する市民への啓発活動のさらなる充実
障害の定義や考え方、点字ブロックの問題など、市民へのさらなる啓発とともに、権利条約や虐待防止法を受けて権利擁護を広げていく。また、障害者も自らできることを通して社会参加を進め、地域の活動でも情報保障など参加するための環境整備を積極的に促していく。
2.誰でも参加できる活動の仕組みづくり
寄付や募金は誰でも参加できる活動である。ホームページに活動に関して提案できる、双方向のバーチャル空間のような掲示板によって、求められている活動や取り組みたい活動が発信しあう工夫を行う。また、インターネットを活用して、遠方からでも気軽に参加できる活動の仕組みづくりなどにも取り組む。
障害があっても自分らしく暮らすための機会をつくる
3.地域で誰でもが集えるサロンづくり
障害の有無や年齢に関わりのない、誰でもが立ち寄れるサロンづくりは、地域のなかで出会う機会の少なかった障害者が出会い交流し、障害者への理解や啓発が促される。また、サロンにテーマや領域を設けることで情報提供の機会にもなり、参加したくなるような動機付けにつなげる。障害者がまちづくり進める福祉風土づくりにつながっていく。
4.障害当事者の余暇の機会の充実
障害当事者の交流の場や旅行などの定期的な開催を行うことで、引きこもりがちになりやすい障害者の外出の機会を積極的に増やすとともに、様々な余暇活動の充実を図っていく。
地域で自分らしく暮らしていくための環境を整えるために
5.ボラ協ならではの相談支援の活動
当協会設立から取り組んでいる相談支援活動。時代がかわり、公的サービスが充実したとしても、一人ひとりの不安への相談や話し相手など、本人を主体とした活動に終わりはない。寄り添うような、ボラ協ならではの相談支援の活動について検討を重ねる。
6.障害福祉に関する情報の充実
現在も取り組んでいる障害福祉に関する情報の収集と、様々な方法での発信だが、まだまだ情報分野や領域で工夫が必要なようである。情報の選び方、活用のしかた、応用能力など、障害当事者が障害特性に応じて、充分に情報を使いこなせる能力を、充実させることが必要である。
Ⅲ.中長期計画の具体的な展開案
1.障害福祉に関する市民への啓発活動のさらなる充実
1-1:講師の出前事業の充実・強化
組織内での限界性から、講師の出前事業を充実・強化するために、推進機関としてグループ化させる。
1-2:障害者の地域活動参加のための支援
障害者が自治会や市民センターの活動に参加するために、ノウハウを生かした環境整備を支援する。
2.誰でも参加できる活動の仕組みづくり
2-1:ボランティア活動のきっかけになる寄付窓口づくり
楽しくてワクワクし、参加したくなるような寄付の切り口をホームページなどに開設する。
2-2:インターネットを活用したボランティア活動の検討
遠方からでも気軽に活動に参加できるように、インターネットを活用した活動の検討を重ねる。
3.地域で誰でもが集えるサロンづくり
3-1:市民センターを活用した地域での集える場づくり
顔の見える関係による気軽に「集える場」として、市民センターなどを拠点にサロンづくりを行う。
3-2:バーチャル空間でのコミュニケーションボードづくり
障害や嗜好による「集える場」を、どこからでも参加できる仮想空間につくることでサロン化する。
4.障害当事者の余暇の機会の充実
4-1:スタッフも介助者もみんなが楽しめる旅行の実現
余暇の機会として要望の多いのが旅行。参加するみんなが楽しめるような工夫をする旅行の実現。
4-2:ボランティア活動を通して余暇活動を支援する
多様な余暇の希望に応えることができるよう、ある種の専門性を検討したボランティア活動の検討。
5.ボラ協ならではの相談支援の活動
5-1:市民の目線を大切にした「市民相談員」による窓口づくり
相談者に寄り添うような、市民の立場で対応するボランティアによる「市民相談員」の検討と実現。
5-2:市民活動を促進するためのネットワークづくり
市内の様々なボランティア活動や、市民活動の支援に取り組む関係機関の担当者が語り合い、情報を共有できる連携づくりを進める。
6.障害福祉に関する情報の充実
6-1:口コミによる暮らしの便利情報づくり
障害者にとって利便性の高い、市民の協力による「暮らしの便利情報」を作成し発信する。
6-2:多様な情報提供手段の検討
Twitter、Facebook、など多様に発展するメディアに対応して、障害福祉の情報発信を行っていく。