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98:ボランティア協会

ボランティア協会
北九州市障害福祉ボランティ ア協会。通称「ボラ協」。

僕が、ここに勤めていたのは、も う 33 年前にもなる。

僕が福祉の道に進むきっかけ となった「わたぼうしコンサート」 を開催した人たちのところで、

よ もや働けるとは、何とも言えない 深い縁を感じた。

まず、働き始めて最初に驚いた のは、ボラ協の人たちは、障害者 ばかりだったこと。

しかも「障害 があってもボランティア」と、体験 したことがない不思議な世界に 来たような思いがした。

僕が卒業した大学は、福祉系 だったこともあり、手話、点字を 身に付けていた。

重度障害があ る同級生の介助をしていた。  また、障害児の家庭教師や精 神病院でアルバイトもしていた。

だから、あらゆる障害者と付き 合うのには、ある程度、慣れている つもりだった。

それだけに、僕がず っと培ってきたボランティア観は、
ここで大きく揺らいでしまった。

健常者であるボランティアが、 障害者のために何かをしてあげ て、そこにやりがいを求める。

そん な健常者と障害者の関係を「・・ してあげる側」と「・・してもらう 側」とに分けて考えていたから、

ずっと違和感を抱えながら仕事 をしていた。

それでも、ボラ協というところ は、様々な事業が目白押しで、忙 しくて深く考える間もなく、

福 祉の風土づくりという活動に夢 中になっていった。

障害者が暮らしやすい街は、健 常者にとっても暮らしやすい街に なる。

また、ボランティア活動は、市 民が参加する活動。たとえ障害が あっても一人の市民であるのだから、

一緒に活動するのは当然なんだ。  ある時、ふと気づいた「あれっ違 和感がなくなってる」

同時に僕の中にあった健常者 と障害者を隔てていた「ボランテ ィア境界」が消えていた。

誰もがみんなボランティア。  協会の「協」の漢字を見ると、 ボランティアの十の力が重なり出 会うところ。

これが「ボランティア協会」