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95.沖縄旅日記2

沖縄さすらいの旅。パート2。

丘の上にあるキャンプ場にテン トを張った。

ここは、眺望が抜群 で、ふもとの街並みに広がる米軍 基地も見渡せた。

しかし、高台のせいか、夜から 冷え込み、ありったけの服を着 込んで寝袋にくるまっていた。

眠れない夜。まどろみながら、 変な夢ばかりが浮かんできた。

それは、北九州市に米軍基 地があるという話。

到津から大蔵までの旧電車 通りの直線道路が、滑走路と なっていて、戦闘機が、爆音を轟 かせ離発着していた。

「こんな住宅地の真ん中に基地 があるのは、どういうことか」

僕は、大勢の地域住民と一緒 に基地反対運動をしていた。

すると、ある日、国からこん な提案があった。

「若松の響灘沖を埋め立てて、 ここに米軍基地を移転させよう。

周りは海。住宅も少ない。 地域振興の交付金も、しっかり 付けてあげるから」

この案に対して、住民の間で 賛否が割れ、争いまで起こった。

僕は、呆然と立ちすくんでいた。 と、夢はここまでで目が覚めた。

そもそも沖縄に行こうと決 めたのは、米軍基地に関しての 報道が流れても実感がわかず、

何だかもどかしく感じていた。  だから、普天間・辺野古。この 街の風に触れてみたかった。

また、かつて学生運動してい たという飲み友達が、沖縄を熱 く語っていたので、さらに興味を 抱いたのかもしれない。

といっても、彼の思想観に感 化されている訳でもなく、賛成、 反対の旗を挙げるには、知識が 足りな過ぎる。どっちつかず、ま るで夢の中の僕だ。

でも、今回の旅で少し悟った。

ボランティアであればこそ。 平和に無関心ではいけない。権 力に無抵抗ではいけない。人生 に無気力ではいけない。

上空、オスプレイが飛んで行 った。僕に何ができるのだろう。