メニューへリンク

» 92:いのちのメッセージ

92:いのちのメッセージ

先日の自殺願望がある人を殺害し、遺棄するという事件。

その残忍さには怒りと同時に、こんなにも自殺を抱く若者がいるのかと思い知らされた。

僕が活動するチャイルドラインにも、自殺を思う子どもからの電話が掛かってくることがある。

未来を悲観し、死にたいと悩むほど、絶望感で満ち溢れている子どもたち。

だけど、大人たちは、子どもの困 難を過小評価しがちだ。

僕たち大人は「子どもだからこその苦悩」を認める必要があると思っている。

理由がないのに自殺願望など生まれてこない。

チャイルドラインでは、この気持ちをしっかり受け止 め、じっくり聴いていく。

自殺するしかないという狭窄した心の視野を広げ、

耐え難い重圧からの苛立ち や焦燥感を和らげていく。

「あなたと私はつながってい る。孤独じゃないよ」と、いのちのメッセージ。

自殺を思う人の心は、死にたい気持ち」と「生きたい気持ち」との間を、

まるで振り子のように揺れ動いていると言われる。

そして、この揺れ幅が大きいほど自殺願望が強い状態であると。

ならば、この振り子を「生きたい気持ち」の方向に無理やり大きく振らせようとするよりも、

振り子の揺れ幅を出来る限り小さくすることではないかと思う。

叱咤激励はいらない。振り子の持ち手を優しく上に あげると揺れは収まる。

公共広告機構ACのCM から、「命は大切だ」「命を 大切に」・・・。

そんなこと、何 千、何万回言われるより・・・。

「あなたが大切だ」・・・。

誰かがそう言ってくれたら、それ だけで・・・。

生きていける