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87:障がい者

東京でチャイルドラインの会議に出た時のこと。
「子供の供という漢字は、大人のお供みたいで、差別用語みたいなものよ」と、
どこかのおば様が言った。

都会の流行に弱い僕は、みごとに純粋培養されて、それ以来、「子供」とは書けず、
「子ども」と書いている。

しかし、政府では、国語を重視し、公用文中の表記を「子供」と統一している。
小学生は「子供」と習う。
つまりは、「子供」でも「子ども」でも、統一されてはなく、こだわる必要はない。

「ども」とは、複数を表す接尾語で「野郎ども」等と使われる。
むしろ平仮名の方が侮辱感が強いようだ。

また、最近は「障がい者」という表記もよく目にする。

この表記について、いろいろ論議されているようだ。

「害」という漢字は、公害や害虫みたいに、あたかも障害者が、社会に危害を与える存在かのような否定的な印象を抱かせるという。

だけど、「障がい者」と平仮名を使うと、
かえって障害者自身の属性に焦点が当たってしまわないだろうか。

社会にある様々な障害物 が、「障害者」を作り出している。
この意味の捉え方を広めるほうが、大切に思う。

怖いのは、右に習えと、にわかに「障がい者」と使い始める群集心理。

「理解者ぶり」しても差別的な感情をひそめていると、いつか必ず爆発してしまう。

文字をいじるだけでは、何も変わらない。

実は「害」より「障」の漢字の方が気になっている。
「障」は、「さわる」、「差しさわる」という意味。
例えば、「障らぬ神に祟りなし」と使われる。

むしろ「害」よりも「障」の漢字の方が、癪(しゃく)に障る。