友達に「お前は女と障害者には優しい」と言われた。
頭に来たので、そいつの胸ぐらを掴んで殴りつけた。
とは、ならず「へへっ」と笑ってごまかした。
確かに、僕は、男友達に対してそっけない。話を合わせるのも面倒なぐらい。
それが女性を前にすると饒舌になり、また、友達からすると、ボランティア活動をする僕の姿は、信じがたいものがあるらしい。
かと言って、演じている訳でも何でもない。これが、僕のありのままの姿なんだ。
こうも言われた事がある。
「仏さんのように優しい」
「えへっ」と照れていたら、
「勘違いするな。上から目線の優しさのようなんだ」
ボランティアをしている時だった。直接、障害者から告げられて、僕は悩んだ。
思いを馳せても答えは見つからず、ボランティアをするのにもぎこちなくなり考えることをやめた。
それで、僕は人から「優しいね」なんて言われるとたじろいでしまう。
ボランティア活動は、いろいろな「優しさ」にあふれている。
性質が悪いのが、白々しい優しさ、鼻に付く優しさ、仰々しい優しさ、当て付けの優しさ。
この優しさを発する者たちは、活動を離れると、相手の陰口をよくたたく。
そもそも、「優」という漢字で思うのは、優勝、優秀、優越、優勢、優劣・・・。
優れている者が、劣っている者を救うという意味が根源にあるのだろうか。
でも、「優」という漢字を良く見ると「憂うる」の横に「人」が寄り添っている。すっと、さりげなく。
僕は、こう在りたい。